VALORANT向けモニタのリフレッシュレートを導出で選ぶ
この記事の要点
・リフレッシュレートはフレーム時間(1000ms÷Hz)で読むと判断が速い。144Hz=6.94ms / 240Hz=4.17ms / 360Hz=2.78ms。 ・短縮幅は逓減する。144→240で約2.77ms縮むのに対し、240→360は約1.39ms=ちょうど約半分。数字で逓減が裏付く。 ・必要なHzはモニタ単体で決めない。GPUとCPU込みの実平均FPSがそのHz水準に届くかで決める(VALORANTはCPUバウンド寄り)。 ・競技の実勢では240Hz未満はゼロ。360Hz以上が44.9%で最多帯、240Hzが23%、さらに400Hz以上も台頭中(668プロ集計)。
VALORANT向けにモニタのリフレッシュレートを選ぶとき、144Hz・240Hz・360Hzの「数字の大きさ」だけで比べると判断を誤りやすい。ここでは各Hzをフレーム時間(ミリ秒)に置き換え、その短縮幅がどう逓減するかを計算で示したうえで、自分のPCが出せる実FPSと突き合わせて必要なHzを判定する選択フレームを作る。数値は公開比較値と算術導出値が中心で、マウスから表示までの総システム遅延の自前実測は未取得のため、実測値は順次追加(現状は公開比較値・算術導出値)とする方針を明示しておく。
リフレッシュレートはフレーム時間で見るとどう変わる?
結論、Hzはフレーム時間(1000ms÷Hz)に直すと差が直感的に読める。新しいフレームが届くまでの周期を見れば、何msぶん速くなるのかが一目でわかる。
リフレッシュレートの周期は単純な割り算で出る。1秒=1000msを各Hzで割ると、144Hzは1000÷144で約6.94ms、240Hzは1000÷240で約4.17ms、360Hzは1000÷360で約2.78msになる。これは画面が次のフレームを描き換えるまでの時間で、数字が小さいほど新しい情報が早く目に届く。比較記事各社(KTC、DisplayPixels、Industrial Monitor Direct)が同じ周期値を提示しており、本記事でも算術を一次的に再計算して一致を確認した。
ここで注意したいのが、起案でよく見る「144→240で入力遅延が約2ms減る」という言い回しだ。これはマウス操作から画面表示までの実測の入力遅延ではなく、フレーム時間差分(理論上フレームが表示されるまでの最大待ち時間の短縮)の近似である。本記事では混同を避けるため、144→240の効果をフレーム時間由来の理論短縮 約2.8ms、240→360を約1.4msと表記する。実測の総システム遅延は別物で、これは後述のとおり順次追加する。
なぜ240→360Hzは効果が逓減するのか?
直接の答えは、Hzを等間隔(120刻み)で上げても、フレーム時間の短縮幅は半分ずつに縮むから。割り算の性質上、上に行くほど1段の旨味が小さくなる。
数値で見ると逓減は明確だ。144→240Hzではフレーム時間が6.94→4.17msへ約2.77ms縮む。ところが240→360Hzでは4.17→2.78msで約1.39msしか縮まない。1.39msは2.77msのちょうど約半分で、同じ120Hzの上積みでも体感上の伸びしろが半減していることを数字が裏付ける。さらに参考として360→540Hzは1000÷540で約1.85ms、つまり360比でわずか約0.93msの短縮にとどまり、逓減はその先でも続く。
KTC系の比較記事は、360Hzを「すでに非常に速いものの磨き込み」「逓減」と特性付けつつ、競技をやるなら360Hzと位置づけている。加えて表示遅延が2.78ms未満まで来ると、操作と画面結果のズレを体感しにくくなるという論点もある。フレーム周期が知覚の閾に近づくこと自体が、逓減の物理的な裏付けになる。
144 / 240 / 360Hzの導出比較表はどう読む?
答えは、フレーム時間・前段からの短縮幅・理論短縮の扱い・必要な平均FPSの目安を一列に並べて読む。各Hzの旨味と前提条件をまとめて把握できる。
次の表は、フレーム時間(算術導出値)と、そのHzを活かすために必要な実FPSの目安を並べた導出比較だ。FPSは「GPU単体」ではなくCPU込みの実平均FPSで見るのが正しい前提になる(理由は次節)。価格や型番は環境で変わるため、ここでは数値の根拠が確かなフレーム時間と前提条件に絞っている。
| リフレッシュレート | フレーム時間(1000÷Hz) | 前段からの短縮幅 | フレーム時間由来の理論短縮 | 活用に必要な実平均FPSの目安 |
|---|---|---|---|---|
| 144Hz | 約6.94ms | — | 基準 | 約144FPS以上 |
| 240Hz | 約4.17ms | 約2.77ms | 約2.8ms(144→240) | 約240FPS前後 |
| 360Hz | 約2.78ms | 約1.39ms(=約半分) | 約1.4ms(240→360) | 概ね約300FPS以上 |
| 540Hz(参考) | 約1.85ms | 約0.93ms(さらに逓減) | さらに小さい | 現状は環境依存・未確定 |
出典: KTC(240Hz=4.17ms / 360Hz=2.78ms / 240→360で1.39ms早い / 逓減)、DisplayPixels、Industrial Monitor Direct(いずれも同一周期値)。短縮幅・理論短縮の数値は上記算術を再計算して一致確認済み。必要FPSの目安は後述のGPU/CPUベンチを根拠とする目安値で、実測の総システム遅延は順次追加(現状は公開比較値・算術導出値)とする。
設定側でフレーム供給を安定させる前提が崩れると、この表のHzは活きない。画質と1%ローの整え方はVALORANT画質と表示設定の最適化 視認性とフレームレートを両立するで扱っている。
必要なHzはGPUとCPUのどちらで判定する?
直接の答えは、GPU単体ではなくCPU込みの実平均FPSで判定する。VALORANTはCPUバウンド寄りのタイトルで、複数ソースがこの傾向を明記している。
具体的なベンチで見ると、RTX 4060クラスでも1080pで250+FPSへ到達する例があり(CPU依存)、240Hz相当は満たすが、360Hzへ常時張り付けられるかは構成次第になる。一方でRTX 4070にi9-14900KFを組み合わせた1080pの運用例では平均405FPSというユーザーベンチもあり、これは300+FPSを維持できる=360Hz活用ラインを満たす目安になる。同じGPUでもCPUが弱いと混戦で平均FPSが沈み、せっかくの360Hzパネルを供給FPSが追い越せない。
だからHz判定の前提は「GPUの型番」ではなく「自分の構成で実際に出ている平均FPS」だ。360Hzの恩恵を受けるには概ね300FPS水準が要るため、まず手元の実FPSを測り、その水準が安定して出るかを確認してからHzを決める。フレーム供給を最後の数msまで詰めたい場合は、入力遅延を低減する仕組みも合わせて見ておきたい。詳しくはVALORANTでNVIDIA Reflexは効くのか 入力遅延の仕組みと体感差を参照してほしい。
競技シーンでは実際どのHzが標準になっている?
答えは、240Hz未満はゼロ。360Hz以上が最多帯で、上振れも進んでいる。プロの使用機材を集計すると、フレーム時間の導出が示す方向と実勢が一致する。
ProSettings.netが解析した668プロ(2026年6月版)の分布では、全プロが240Hz以上のモニタを使用しており、240Hz未満は1人もいない。内訳は、360Hz以上の合算が300人=44.91%(XL2566K 360Hz 24.70%+XL2566X+ 400Hz 16.62%+XL2586X+ 600Hz 3.59%)で最多帯。240Hzの合算は154人=23.06%(XL2546K 16.32%+XL2546 6.74%)だ。単一機種の首位はZOWIE XL2566K(360Hz)の24.70%、ブランドではZOWIEが74.40%(497/668)を占める。
ここで重要なのは、これが「360Hz=プロ向け」という単純な話ではなく、360Hz以上が現行プロ標準で、しかも400Hzが16.62%、540〜600Hzまで採用が出始めている=ハイエンドはさらに上振れ中という構図だという点だ。前節の逓減カーブが示すとおり1段ごとの旨味は縮むが、競技の最上位帯はその小さな差まで取りに行っている。一般プレイヤーが240Hzから始める判断は妥当だが、競技志向で実FPSが伴うなら360Hz以上が現実的な選択肢になる。240Hzと360Hzの具体的な機種比較はVALORANT向けゲーミングモニタ比較 240Hzと360Hzをどう選ぶかで深掘りする。
このHz選びを上達の全体像にどう組み込む?
答えは、モニタは設定・感度・エイムと並ぶ土台の一つで、単独で勝敗を決めない。Hzを上げても供給FPSと操作精度が伴わなければ数字ほどの差は出ない。
リフレッシュレート選びは「フレーム時間で逓減を理解する→自分の実FPSで活かせるHzを判定する→競技実勢と照らす」という順で進めると迷いにくい。そのうえで、エイム理論や練習メニュー、設定最適化と組み合わせて初めて効いてくる。VALORANTの上達を戦術・エージェント・設定・上達の体系として一望したい場合はVALORANT完全ガイド 初心者から競技まで戦術エージェント設定上達を体系化を起点にすると全体像から逆算しやすい。
機材は補助、判断軸が主役だ。Hzの数字に引っ張られず、フレーム時間の逓減と自分の供給FPSという2つの物差しで選べば、過剰投資も過小投資も避けられる。
よくある質問(FAQ)
Q. 144Hzから240Hzと、240Hzから360Hzでは、どちらの伸びが大きいですか? フレーム時間の短縮幅で見ると144→240が約2.77ms、240→360が約1.39msで、後者は前者のちょうど約半分です。同じ120Hzの上積みでも旨味は逓減するため、伸び幅としては144→240の方が大きくなります。
Q. 360Hzのモニタを買えば必ず速くなりますか? 実平均FPSが概ね300FPS水準に届いていることが前提です。VALORANTはCPUバウンド寄りのため、GPUだけ強くてもCPUが弱いと混戦で供給FPSが沈み、360Hzパネルを活かしきれません。まず自分の構成の実FPSを測ってから判断してください。
Q. 入力遅延が約2ms減ると聞きましたが本当ですか? それはマウスから表示までの実測の入力遅延ではなく、フレーム時間差分(理論短縮)の近似です。本記事では144→240を約2.8ms、240→360を約1.4msの理論短縮と表記しています。実測の総システム遅延は別物で、自前実測は未取得のため実測値は順次追加(現状は公開比較値・算術導出値)とします。
Q. 競技ではどのHzが標準ですか? 668プロの集計では240Hz未満はゼロで、360Hz以上が44.9%と最多帯、240Hzが23%です。さらに400Hzが16.6%、540〜600Hzも採用が出始めており、ハイエンドは上振れ中です。
出典
- ProSettings.net「Best Monitor for VALORANT」(668プロ, 2026年6月版)
- ProSettings.net「Best PC for VALORANT」(GPU/構成前提)
- KTC「Can You Actually See the Difference Between 240Hz and 360Hz」(240Hz=4.17ms / 360Hz=2.78ms / 240→360で1.39ms早い / 逓減)
- KTC「144Hz vs 240Hz vs 360Hz: Best Refresh Rate for Gaming」
- DisplayPixels「Refresh Rate Guide 60/144/240/360Hz」(周期値)
- Industrial Monitor Direct「Frametime Analysis 60Hz to 360Hz」
- Deltia’s Gaming「Best Settings for Valorant - RTX 4060」(1080pで250+FPS)
- VALORANT 公式パッチノート: https://playvalorant.com/en-us/news/game-updates/

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